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町田くんの次のプラン

町田樹

新書館「ダンスマガジン」10月号での熊川哲也さんと町田くんとの対談。
とても充実した内容で、読み応えがありましたね。

対談前半は町田くんが「マダム・バタフライ」「カルミナ・ブラーナ」のリハーサル を見学した感想を中心に。

後半は、熊川さんが バレエとの相違点を中心にフィギュアスケートについて町田くんと話す、という構成になっていました。

素晴らしいものを見ても、それを受け取る側に受け取るだけの力がなければ宝の持ち腐れ。豚に真珠、馬の耳に念仏、猫に小判です。
でも、町田くんは万全の準備をして宝を受け取ることに臨む人ですから。
今回の対談でも、そんな誠実な勤勉さがとても感じられました。

盛り上がるインタビューや対談は、相手の話を引き出す質問を投げかけることで決まると聞いたことがあります。

熊川さんも町田くんも、それがとてもお上手!!
だから、結構びっしりな対談も ふむふむ、ほうほう と、濃厚なんだけど読みやすくお二人の楽しそうな感じまで伝わってきて、読むこちらまで知的な会話に参加してる臨場感。(^^♪

その中で気になった箇所を。

スケーターにとっての音楽

音楽を無視して跳ぶジャンプがあることに対して、熊川さんは「衝撃を受けた」と表現し、「スケーターにとって音楽はBGMにすぎないのかな?」と町田くんに疑問をなげかける

その疑問に対しての町田くんのことば

そういう人たちにとってはたぶん、その部分だけBGMなのです。跳ぶこと、ジャンプを成功させることが最重要課題ですから、音楽はシャットアウトでしょうね。

引用:ダンスマガジン2019年10月号p.24

と認めつつ、

ただ 滑る動作が多いので、音楽をミクロで一音一音捉えるのではなく、あえてマクロで捉えて、旋律の流れの中で跳躍したり、あるいは音と音の間の無音の中で跳んでみせたりという巧みな演出もごく稀に見られることは確かです。

引用:同上

「そういう人たちだけじゃないよ~。」と言ってくれ、

私はどの音で着氷するかというところまで、バレエほどミクロの世界まではできないにしても、ある程度計算しながら作っています。

引用:同上

と、きっぱり。(^^)

掲載されている写真を見ても思いましたが、バレエって、本当にポージングが美しいですよね!静止の美しさ。空中に今まさに跳んでいてさえ、時を止めている感があります。それを体現するダンサーの凄まじく美しい身体。
フィギュアスケートにも要所要所で静止はありますが、やはり、止めではなく動いていく流れていく疾走していく。そのことがバレエとは異なる魅力だと思います。
それが、町田くん曰く、「音楽をミクロで捉えるのではなく、マクロで捉える」特質になるのでしょうね。

と、バレエ鑑賞は超ライト層なので、的外れ感想かな~。よし、最初に謝っておきます。ごめんなさい。

町田くんの次のプラン

選手時代でも私は、何を表現したいかというところに重きがありました。ただ表舞台にプロとして立とうと思うとやはり競技成績が必要という世界なので、もう上の人たちをなぎ倒してでも前に進まないと、自分の好きな表現ができない。そこは真剣勝負でシビアに上の人たちと対峙してきたつもりです。

引用:ダンスマガジン2019年10月 p.24

この町田くんの言葉に対して熊川さんが

「素晴らしい。いまは では、何か虎視眈々と次のプランが見えている?」

もちろんやりたいことはたくさんあって、いままでは自分ひとりの身体で表現してきましたけれど、群舞やいろいろな演出・舞台装置を使って、こうしたら絶対面白いというものを妄想している時間はけっこう多いです。

引用:同上

「マダム・バタフライ」「カルミナ・ブラーナ」のリハーサルの見学は、町田くんのこれからの血にも糧にもなるのでしょう。いや、「なる」のではなく、町田くんは「していく」ですよね。自ら。

そして、
「こうしたら絶対面白いというものを妄想している時間」

その妄想が形となった時、見たい。すっごく、見たい。めちゃくちゃ、見たい。
期待して待ちます。

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出典:Amazon