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クリス・リードさんの素敵な笑顔。

アイスダンス

2020年3月14日クリス・リードさんの急死のニュース。驚きました。心臓突然死。享年30歳。
あまりに早すぎます。

女性は絵画、男性は額縁

アイスダンスにおける女性スケーターと男性スケーターとの関係性は「絵画と額縁」に譬えられます。
世界Jr.アイスダンスの放送を見ていても、演技フィニッシュでアップになるのは、必ず女性スケーター。男性スケーターは、まるで映らない。 その無視っぷりは、いっそ清々しい ほどでした。
あくまでも主役は女性であり、男性が女性以上に目立ってしまうことはNG。かといって、貧相な額縁では素晴らしい絵画を活かすことができず、むしろ邪魔な存在となってしまう。

「ペアとアイスダンス書き足りないぞ」https://locus88.com/entry/2019/07/28/142227 で、日本でアイスダンス(ペアもですが)がシングルに比べて盛んにならないのは、「エレガンスを体現しながらも、プライドを持った額縁」となる男性スケーターが育つ土壌が、日本の風土にはないからではないかと、書きました。

クリス・リードさんは、そんな日本のフィギュアスケート界で、エレガンスでプライドを持った額縁として、日本のアイスダンスを支え続けたレジェンドです。2010年バンクーバー、2014年ソチは姉のキャシー・リードさんと、2018年平昌は村元哉中選手とオリンピック3大会出場!

平昌オリンピックシーズン

本田くんが引退したあと、ソチ五輪のEXで町田くんにハマるまでフィギュアスケート観戦からすっかり遠ざかっていた私にとってのクリス・リード選手は、村元哉中選手とカップルだった平昌オリンピックシーズンが特に印象に残っています。

世界選手権で五輪出場を確保できなかった国の最終選考である9月のネーベルホルン杯でみごと2位!自力でオリンピックの出場権を手にしたと同時に、日本の団体戦出場の道も開いてくれました。
四大陸選手権は日本勢初の銅メダル。平昌オリンピック15位。ミラノワールドは、日本アジア勢での最高11位。

2018平昌オリンピックFD

平昌オリンピックシーズンのFD「戦場のメリークリスマス ほか」、素晴らしいプログラムでしたよねぇ。
ピアノの旋律とともに桜が咲き初める様子が繊細に表現されていて、まさに日本の華!
けっして押し付けるのではなく、薫りでその存在を示すような奥ゆかしさ。

そして、このプログラムの世界観を支える土台は、クリス・リード選手の持つ優しさなのだろうなと思ったのが、彼のこの背を見た時でした。

2018平昌オリンピックFD

たしかな包容力を感じさせながらも、きつい強さは感じられない、抱きしめ、抱きしめられている 優しい背中です。
彼のこの背を見ると、桜染めのきれいな薄いピンク色は、(桜の花びらではなく)桜の枝を抽出して作るのだということを思い出します。
美しい桜色を作り出す茶色の枝の存在こそが、彼なのかと。

2019年12月31日に現役を引退し、これからはキャシー・リードさんと共に後進の育成に尽力すべく第二のキャリアをスタートさせていたクリスさん。
指導者としての新しい未来が目の前に広がっていたことでしょう。
きっと、いろいろな想いを残し、残念で、悔しくて、無念であったろうと思います。それなのに、私の頭の中のクリスさんのイメージは、あくまでも笑顔なのです。素敵な優しい笑顔なのです。

心よりお悔やみ申し上げます。