今日の新規感染者数とかって、その数字、ひとりひとり人間でしょ。
って、心折れそうになる日々。
いろいろと切ない出来事もニュースも多い日々。
しかし、その毎日を現在進行形で乗り切っていかなければならないのだ~と、
握りこぶし作りつつ、自分を奮い立たせるために何度も見ているのが、
「全米2020女子フリー」です。
本当に素晴らしい試合でした。
グレイシー・ゴールドの笑顔に泣く

スタート地点に立ったグレイシー・ゴールド選手の、この表情。
澄み切った静けさと同時に強さをも湛えた表情。
なにものにも侵されない尊厳を持った表情。
満員の観客が見守るなか決めた、冒頭3Lz-2Tの潔さ。
その後は、丁寧に丁寧に着実にプログラムを紡いでいく。
集中し、ひとつひとつの音を拾う。
たとえ、ジャンプが抜けても、きちんと演技をやり遂げようとする彼女の決意に揺るぎがないことが、
見ていて分かりました。
後半の3F-2T、3Sも美しく決まり、コレオシークエンスで見せてくれた大きなスケーティングの伸び。
そして、フィニッシュ。

まるで、たった今、長い旅から故郷に戻ってきた人のような少しの気怠さと満足感。
来し方をゆっくりと振り返っているかのような表情。
たった24歳でこんな表情が出来てしまう彼女は、いったいどれほどの荷を背負って生きてきたのかと。
フィニッシュ後に感極まっての涙は一瞬で、すぐに万雷の拍手に応える笑顔のその美しさ。

「おかえりなさい。みんな、待っていましたよ。」by赤平大さん(実況)
グレイシー・ゴールド選手の笑顔の清々しさに泣く。
僅差の攻防に泣く
グループ3。
SPの1位 ブレイディ・テネル選手78.96 から
4位 アンバー・グレン選手73.16 までの差は、たった5.8点。
FSの出来次第で表彰台のメンバー、メダルの色、如何様にも変わる。
見ている方はワクワクする試合。選手の皆さんには大変な試合。
アンバー・グレン選手の背中に泣く
名前をコールされてスタート地点に立つ彼女のやる気に満ちた力強い表情に期待。
しかし、最初のコンビネーションに硬さを感じ…。
スケーティングも彼女の持ち味の大らかさがなく、肩のあたりがどーも固い。
3Lzの転倒からは、焦りと疲れが体の重さに現れてしまった。

結局、順位をひとつ落としての5位でした。
気合いが空回りしてしまったのでしょうか。
彼女らしい感情の乗った大きな演技と、明るく可愛い笑顔が見たかったなぁ。
ブレイディ・テネル選手の自律の強さに泣く
2019-2020シーズンのブレイディ・テネル選手には、
パーフェクトな印象しかなかったので、正直、驚きました。
前半のジャンプはきれいに決まってましたし。
だから、3Sの後にぐらっと躓いたようにバランスを崩したことにびっくり。
思えば、この辺りから、徐々に歯車がかみ合わなくなっていったのでしょうか。
3連続が3F-2Tになり、直後の3Loで転倒。
最後のコンビネーションスピンも、いつもの彼女の正確無比なスピンに比べると乱れがあったような…。
プレッシャーかな。彼女は優勝を視野に入れていた筈です。
このあと素晴らしい演技をしたマライア・ベル選手にも抜かれ、結果は3位。
下の画像は、キスクラで得点を見たマライア・ベル選手が喜びを爆発させた直後に、
一瞬、挟まれたテネル選手の映像。
残酷だー。見てる私の方が心折れた。

さぞ、悔しかろうに。
でも、彼女はクールな笑顔で観客に挨拶するんですよね。
自分を厳しく律することのできる彼女の強さ。
ハレルヤ!マライア・ベル選手の輝きに泣く
すべての選手の、こういう演技が見たいですね~。
SPのまさかのミスを引きずることなく、輝きを倍増させたすばらしい神演技。
最後の3Lzまで、すべてのジャンプを成功させた彼女の全身からあふれる喜び!

まさに喜びの爆発。
観客の歓声と拍手も鳴りやまず、彼女の喜びに呼応。スタオベ!


銀メダル、おめでとう!!!
すっごい、演技だよ。
アダム・リッポン氏、So proud of you. って言った?完全に同意っす。

こんな素晴らしい演技を見せてくれて、ありがとう!
アリサ・リュウ選手のマジ天使さに泣く
最終滑走。オオトリ。ラスボス。
――と言うには、あまりにも可愛いアリサ・リュウ選手。

まじ、天使。( ;∀;)
3A-2Tのコンビネーションも、4Lz(回転不足でしたが)も、単独3Aも、ずーっと笑顔。
高速スピンに衣装のフリンジが、ひらひらキラキラ。音楽、キラキラ。
鬼速のスピンこなしながら、笑顔キラキラ。
フィニッシュ!


結論。天使は、疲れない。
もー、こういうふうに、とことん楽しそうに嬉しそうに滑ってくれると、
もー、それだけでおばさんは、幸せなんだよね。( ;∀;)
プレッシャー、ゼロかと思えば、
キスクラで優勝が決まった瞬間に大きな目に光る涙がまた、かわいい。

表彰台の一番高い場所に「よいしょ」と二人のお姉さん選手からあげてもらう天使。
14歳。
解説の鈴木明子さんがおっしゃっていたように、ファンは選手に長く滑り続けて欲しい。
一瞬の輝きではなく、長く、幸せに。
ジャンプだけではない、円熟味を増したスケートを見せて欲しい。
だからこそ、グレイシー・ゴールド選手が全米選手権に戻り、
滑りきってくれた姿にファンは、涙するのです。
フィギュアスケートって、本当に良いものですね。
全米選手権2020女子は、フィギュアスケートファンがしみじみとそう思う、素晴らしい試合でした。
そろりそろりと、2020-2021シーズンもスタート。
今シーズンは、いつものシーズンとは試合の仕方もいろいろと異なるでしょう。
それでも、こんなふうに選手が全力を尽くす美しい姿がたくさん見られると嬉しいな。
あれ?4度以上、泣いてね?笑
※画像は「全米フィギュア2020女子FS」からです。